俺と叫べ・改
第4回「Baby in Carの悪用」

 「Baby in Car」「子供が乗っています」 よく見かけますね、このステッカー。カー用品店などでいくつもの種類が売られています。
 このステッカーには若葉マークや落ち葉マークのような法的義務・保護ありません。ではこの「Baby in Car」、これを装着している人はどのような意図を持って使用しているのでしょうか?文字通り解釈するのならば「幼児・子供が乗っています」と。それで何が言いたいのか?
 普通に考えれば「幼児が乗っているので、ゆっくり走るかもしれません、お先にどうぞ」「子供が乗っているので幅寄せや無理な追い越しはしないでください」等と理解するのが自然でしょう。なるほど、言いたいことは解ります。(一部例外として「自分の「子供を乗せている」という自覚を増すため」という人もいますが)
 自分はそういうステッカーを貼ってあるクルマの「一部」に関しては多少モタついててもクラクションを鳴らさないようにして、横を通過する時もエンジン音も押さえるようにしています。

 ではなぜ「一部」なのか?

 先にも書いたとおり、このステッカーには法的義務もなければ保護もありません。装着者自身に強制力は無く、自費で購入し自主的に貼っているものであり、他者に対しての保護義務、拘束力はありません。
 「幼児・子供が乗っている」、首のすわっていない幼児などを乗せている、だからこそあまり段差の衝撃が大きくなるような状況では速度は出せない、交通の流れを乱すが申し訳ない、という意図が感じられるのならば、自分はそれら「一部」のクルマには十分配慮します。しかしその意図が、誠意がちゃんと感じられるクルマって、そんなに多くはいないように思えます。

 この「Baby in Car」装着車、いろんな読み物やネットを見てみると、かなり嫌われていますね。正直自分もあまり好印象を持っていません。なぜでしょうか?その理由とは?
 その嫌悪派の記述の多くが
 「「Baby in Car」ステッカー装着者が他者に対して配慮していないのに、こちらがなぜ配慮せねばならないのか。そして挙げ句の果てに自分の運転を棚に上げ、配慮を強制し、しない場合にこちらが非難されねばならないのか」
 と言う話がそれらを総合した意見だと思います。正直、自分は気持ち的にはこちら側です。

 例えば・・・
 無理な車線変更やウィンカー無しでの割り込み、流れに沿わない速度超過、あまりにもお粗末な運転技術のクルマ。それらのクルマに「Baby in Car」が貼ってあったとしても、どうでしょうか?「Baby in Car」は暴走運転の免罪符ですか?初心者マークの次に貼られる運転未熟者の証明書ですか?交通において子供の事を気にするのならば、親として最低限の運転技術とマナーぐらい身につけて当然ではないですか?(これについては俺と叫べ改・第3回を参照願います)

 さらにはフルスモークの車高ペタペタ、レイやら何やらをミラーからぶらぶら下げ、ケータイをかけながらフラフラフラフラ・・・自らのファッションなんかを優先し、クルマの安全をこそげ落とすような行為をしておいて、子供の事を考えているなど、どの口で言えるのでしょうか?(話はそれますが、自分はクルマにおいてはまず「機能ありき」で、それを浸食してまでの「個性」やら「ファッション」は愚の骨頂、「無駄無駄無駄ァァァ」だと思っています)

 あまつさえ車内を子供がはね回っていたり、シートベルトをしていなかったり、挙げ句の果てには子供を抱きかかえたまま運転していたり・・・根本的な安全に配慮していない人間が、他者に対して「子供が乗っています」等という言葉を発するコト自体がすでにおかしくないですか?

 まぁ上記のような行為をしている彼らにとっては子供の安全云々よりもファッションとしての「Baby in Car」ステッカーなのでしょう。しかし、クルマの外に貼る以上、「勝手」では済まされないのです。外から認識できる、というコトはメッセージ性があるという事を意識してもらいたい。

 現実にクルマのチューンドショップでもそうでしょう。そのショップのステッカーがデカデカと貼ってあるクルマがマナーの悪いことをしたりしていたら、そのショップに対して良い印象を持ちますか?そのオーナーが勝手にショップのステッカーを貼っていたとしても、回りの人間が受ける印象には何もかわりがありません。

 何も考えずにファッション的なイイ加減な考えで「Baby in Car」を装着している人は全体の一部、と言うよりも、そこそこの割合で存在していると思うんです。少なくとも自分が見る限り、それは決して「少数」といわれる程度の割合では無いように見えます。
 彼らにとっては軽い気持ちのファッションステッカーかもしれないのでしょうが、それによって多くのドライバーの怒りが「すべてのBaby in Carステッカー装着者」に向けられる事になります。

 これは自らが子供の事を考えて、出来うる限りの事をし、その上で他の車に対してお願いをしている、「一部」の「Baby in Car」装着者である人達には迷惑な話でしょうね。彼らは何も悪い事をしていないのに、悪名だけが広がってゆく。
 ファッション的なイイ加減な気持ちで、イイ加減な運転とイイ加減な安全に対する気持ちで 「Baby in Car」ステッカーを装着してもらってはハッキリ言って困ります。あなた方が直接それにおいての処罰や怒りを買うのなら勝手です、言葉の通り、自業自得ですから。たっぷりイタブられて思い知ってください。
 しかし、現実はそうじゃない。現実に一番迷惑を被るのは「本来「Baby in Car」を必要とする人たち」なんですよ。でもね、こう言うことを聞いても「どうでもイイ」と思う親御さん達、その正当な装着車の次に迷惑を被るのはマナーの悪い「Baby in Car」装着者の子供なんですよ。
 

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